天文 −星空を楽しむなら− より夜空を楽しむために、あると便利なグッズ


降るような星空、数え切れないほどの星・・・市街地に住むものにとって望むべくもありません。名古屋近郊でも北極星がかすかに見える程度です。そんな場所ではさすがに肉眼で星空を楽しむと言うわけにいきません。
そんなときには双眼鏡で夜空を覗いてみませんか。意外と星が見えてくるものです。特別な双眼鏡でなくても構いません。おおよそ7倍ぐらいのものが使いやすいでしょう。もしかして、押し入れの奥の方に、そんな双眼鏡が隠れていませんか?
双眼鏡があればとりあえず、月でも覗いてみましょう。いつもとは違った月の表情が見えてくるでしょう。光が横から当たって立体感がある半月の時が最適だと思います。
一眼レフのカメラをお持ちなら、そのレンズを望遠鏡の代わりにすることもできます。ケンコーのスコープアイピースなどを使えば、50mmの標準レンズが約5倍の単眼鏡に、100mmの望遠レンズが約10倍の単眼鏡に早変わりします。小さな双眼鏡よりも、レンズ口径が大きい分だけ優れた性能を発揮してくれます。
ただしいかなる理由があっても、双眼鏡などで決して「太陽」を見ないでください。網膜を損傷して失明する可能性があります。

明るい場所から急に暗い場所に移ったとき、初めは何も見えないのに時間が経つとだんだん見えてくるようになる。そんな経験はありませんか?この現象を「暗順応」といいます。これは、目の中の暗い光に反応する細胞が働き出すのに10〜30分かかるためです。星空を楽しむためには、この細胞を十分に働かせなければならないので、あらかじめ暗やみの中で目を慣らしておくことをおすすめします。

ところで星座って、いったいいくつあるかご存知でしょうか?古代のギリシャや中国で様々な神話や伝説と結びついて、多くの星座が創作されてきました。でも国ごとに星座が違っていると困ることが多いので、1928年の第3回国際天文学連合(IAU)総会によって88の星座への統一が承認され、1930年に協定されました。実際には星座を整理したというよりは、星座の位置をもとに空を88の領域に区切り、その1つ1つに星座の名前をつけるという作業が行われました。この星座名で示される星座領域は、星などの場所を示すのにも利用されます。たとえば、織女星は「こと座α星」となります。国際的には学名の表現が通用します。こと座の学名は「Lyr」ですから、織女星の学名は「αLyr」となります。ちなみに牽牛星は「わし座α星」、学名「αAql」となります。88星座のうち、日本からはそのうちの64星座が見られるとされています。
一般にいう星座は明るい星を結びつけて作られています。市街地のような明るい夜空では明るい星しか見えてきませんから、星座を見つけ出すは意外と簡単です。逆に降るような星空のなかでは、星があまりに多すぎて星座を探し出すのは結構大変です。どちらにしても、このあたりに何座があるか大まかにでも分っていると助かります。お目当ての星座がどのあたりにみえるかは、「星座早見盤」があると簡単に分ります。「星座早見盤」は、科学館やプラネタリウム、天体望遠鏡の販売店、大きな書店で手に入れることができます。多少高いかもしれませんがプラスチック製の物をお勧めします。夜は湿度が高くなってしまうので、紙製の物は安価ですが湿気を吸って反ってしまったり、金属製の物ではサビの原因になってしまうからです。使い方は説明書を読めば簡単に分ると思います。
「星座早見盤」を使うためには正確な時計も必要です。「星座早見盤」を使えば、今、どの方角のどのぐらいの高さに何座が見えるかを知ることができます。それでも北がどちらかが分らなければ困りますから、方位磁針もあったほうがいいですね。

星空を楽しむためにあった方がいいものを整理しておきましょう
1.双眼鏡や望遠鏡またはそれに代わるもの
2.星座早見盤
3.時計(ある程度は正確な時間を示していることが必要です)
4.方位磁針(方位が分っていれば必要ないですね)
5.小さな懐中電灯(小さくても暗やみ慣れた目には眩しすぎます。目にダメージの 少ない赤い光を出すために赤のフィルターか赤のセロハンを付けましょう。)

番外
夏は虫除けがあった方がいいですね。冬に限らず、夜遅くなると結構気温が下がりますから、上着が1枚あった方がいいでしょう。

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