旅行 − プウロア −


「ペトログリフ」と呼ばれる古代アートを鑑賞できるフィールドの1つがプウロアです。
「ペトログリフ」は南太平洋一帯で見られる岩石彫刻で、ハワイ諸島のなかではハワイ島に多く見られます。
「ペトログリフ」が数多く見られるところは、古代ハワイアンの定住地や交通の要所であったと言われています。

プウロアは、キラウエアからチェーン・オブ・クレーターズ・ロードを下ってきって、海を正面にして走るあたりにあります。特に目立った看板があるわけでもないので、見落としてしまうかもしれません。強いて言えば、道路の両側に駐車帯があって、小さな解説板があるところを探してください。そこから東方向に、0.7マイル(所用時間約15分)ほど歩くと木道で囲まれたペトログリフ群にたどりつきます。
道路からペトログリフ群まで案内板があるわけではありません。2〜30mおきに石を積み上げ作られたケルンを目印に、人が歩いたと思われるところをたどって進むことになります。道中はほとんど平らで歩くのは容易ですが、日ざしを避けるような木陰などありません。
注意して歩くと、散策路のわきにも数多くのペトログリフを見つけることができます。その大部分は円形です。
一般に溶岩はガス成分を多く含み、表面から固まっていきます。早く固まった表面は気泡部分が少なく緻密でなめらかになります。後から固まる内側の部分ではガス成分の割合が高くなり、気泡部分つまり隙間の多い海綿状に固まります。このあたりの溶岩では、緻密な部分は表面から5mm程度で、その内側は海綿状となりまったく様子が異なります。ペトログリフは、その溶岩の緻密な表面をけずって描かれ、けずった部分には内側の海綿状の部分が現れます。その見た目の違いは明確で、何世紀も経た今でもはっきりと図形を見ることができます。
正直言うと、偶然できたような模様を人や動物の形にこじつけているのだろうなどと思っていました。ペトログリフ群にたどりついて驚きました。その数もさることながら、その図形1つ1つの力強さに感動しました。南太平洋を渡り、溶岩に覆われた土地で生活の基盤を築き上げた古代ハワイアンのエネルギーの大きさを感じることができた、価値ある0.7マイルでした。

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